リトル・フォレスト夏③
リトル・フォレスト夏/秋
2014/日本/111分
小森という東北のとある村に一人で暮らすいち子。お米や野菜を育て、魚を釣ったり、山菜やアケビを採ってきたり、胡桃や栗なんかを拾っては保存がきくように加工したりする。季節の流れに合わせて日々を送るための数々の知恵。そして自分が食べるために働くということ。そんな自給自足の生活が、印象深い料理を通して描かれる。
心色の「グミジャム」
グミの実でジャムを作ってみるいち子。それまでは見向きもしなかったけど、誰も採らないグミの実は落ちて腐っていくだけ。「そんなの寂しいよな」。どこか自分と重ね合わせているみたいだった。
煮上がったジャムは透明感のない濁った濃いピンク色。 いち子はお母さんの言葉を思い出す。”料理は心を写す鏡よ。集中しなさい”。「これが今の私の心の色かぁ・・・」。一人だとつい考え込んでしまうよね、と共感しながら観た。
①チェリーの種を一つずつ取り除く
②①の重量の60%の砂糖と一緒に鍋で煮込む(お好みでレモン汁を加える)
③煮詰めの具合は水に落として緩い玉になるくらい
④熱いうちに煮沸消毒した瓶に詰める
※グミの代わりにチェリーで代用!
ストーブパンにジャムを付けて食べてみる。ふわっとチェリーの良い香り。パンにもよく合う。いち子のグミジャムは酸っぱいジャムだったけど、チェリージャムはとっても甘かった。これなら、もう少し砂糖を減らしてみても良かったぐらい。もうチェリーは出回らなくなってきたからまた来年のお楽しみ。夏の果物はあっという間。
* * *
ジャム作りのとき、いち子が考えていること、とりわけ悩んでいるだろうことが見えた気がして、それを私も共感して受け止めた。現実をそれこそ現実的に生きているつもりなのに、過去のことを思い出したり、将来のことを想像したりすると「なんだかなー」という気持ちになる。この”なんだかなー”は、周期的に訪れる。いつまで続くのだろうか。
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