劇場
劇場
2020／日本／136分
演劇を志し上京した永田。友人と立ち上げた劇団で脚本家兼演出家を担うも、彼の生み出す斬新な作風の評判は悪く、客足も伸び悩んでいた。それでも他人の意見に耳を貸さない永田は、とうとう劇団員にも見放され、独り演劇を追求していく。 そんなある日、同じスニーカーを履いているという理由で永田は大学生の沙希に声を掛ける。突然のことに驚く沙希も、二人は次第に打ち解けていった。お金のない永田が沙希の家に転がり込む形で始まった同棲生活も順調に思われたが・・・。永田が夢を追えば追うほどに、二人の関係はチグハグになっていくのだった。
沙希ちゃんのむいてくれた「梨」
働きもせずただただ演劇に没頭する永田を、沙希は文句も言わずに養ってあげていた。彼女が将来のことを考えたい年頃になっても、永田が自立する気配は一向になく・・・。それでも、そんな彼のためにお風呂上りには梨をむいてあげる沙希。いい雰囲気を何とか作り出して今後の話を切り出そうとするのだけど、永田は威圧的な態度でうまく言いくるめてしまうのだった。
ちょうど梨がスーパーに出回り始めた季節。このシーンは中々心が痛いのだけど、 梨は甘いし瑞々しいから大好き！冷やした梨をお風呂上りに食べたら、梨の極上の水分が体に染み渡る～！梨に限らずだけど、誰かに何かしてもらったらちゃんとお礼を言わないといけないし、お互いの思いやりのバランスを保つことの大切さも感じるシーン。
＊ ＊ ＊
嫌なところむちゃくちゃ知っているのに、むちゃくちゃ好きみたいな。好きな人だからこそ、嫌なところは直してほしいけど、それがその人の根幹に関わる部分だったら、身を引くしかないのだろうか。自分の思いを素直に伝えることができない不器用な二人だったけど、あながち他人事でもなくて色々なことを考えた。最後の10分は大号泣。不器用だからこそ隠してきた本当の願いは、誰もが持っているような気がした。
★Amazon Prime Videoで鑑賞★
