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グリーンブック②

グリーンブック(Green Book)

2018/アメリカ/130分

グリーンブック(字幕版)

ニューヨークの一流ナイトクラブで用心棒を務めるトニー・リップだったが、クラブの改装で一時無職になってしまう。そこで紹介された仕事が、アメリカ南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニスト、ドクター・シャーリーの運転手をすることだった。 1962年、黒人差別が根強く残る南部をあえて選ぶドクター。そんな彼のツアーに同行したトニーが手にした馴染みのない「グリーンブック」とは、黒人が利用可能な施設を記した旅行ガイドブックだった。最初は黒人に対する差別意識があったトニーも、旅を続ける中で、ドクターとの絆を深めていく感動の実話。 

 

毎晩、一本の「カティサーク

ドクターはトニーに、自分が宿泊するホテルに毎晩一本のカティサークを届けてほしいとお願いする。トニーは冗談っぽく、飲むの手伝おうかと声をかけるのだけど、ドクターの顔は真剣そのもの。ドクターは、楽しそうに談笑する人を見ながら、はたまたバーで絡まれて傷ついた自分の顔に化粧をしながら、一人孤独の中でカティサークをゆっくりゆっくり飲んでいた。 

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そもそも、カティサークって何?状態の私は、毎晩一本のすごさ、トニーが飲むのを手伝おうかと言ったその意味が全然わからなかった。調べてみるとカティサークはスコッチウイスキーだそう。だからって違いがわかるわけではないのだけど(笑)それで、スーパーとかに売ってるのかな~?って覗いたら、ある!!気づかなかっただけで今まで目にしていたんだ。 

早速、購入して一口飲んでみたら、「ヒャー!これはすごい!」ってお味(飲みなれていないだけ)で、これを毎晩一本はなかなか厳しい。トニーが手伝おうかと言う気持ちもわかる。酔わないと孤独な気持ちで眠れなかったのかなと想像すると悲しい。

私は、そんなことも見越して買っておいた炭酸水で割ってハイボールに。スッキリしていて飲みやすいし、けっこう好き。 

 

* * *

 

目を疑うような残酷なことを人間が同じ人間にしていて、その連続で、観ていて暗い気持ちにもなってしまうのだけど、でもそんな時にトニーに救われる。思ったことは何でも口にする彼だけど、それは彼の素直さからくるもので、だから憎めない。ドンをサポートする良きパートナーとしてどんどん頼もしくなって、二人の絆が徐々に深まっていくのがわかるシーンでは、都度感動してしまった。黒人差別について私が知っていることなんて本当に氷山の一角だなぁ。

マハーシャラ・アリの妖艶な立ち居振る舞いが本当に素晴らしい。漂う気品までもコントロールしているみたい。一方で、ジャズピアニストとして一定の地位を築いているのに、それでも付き纏う孤独はとことん辛い。