リトル・フォレスト夏①
リトル・フォレスト夏/秋
2014/日本/111分
小森という東北のとある村に一人で暮らすいち子。お米や野菜を育て、魚を釣ったり、山菜やアケビを採ってきたり。胡桃や栗なんかを拾っては保存がきくように加工したりする。季節の流れに合わせて日々を送るための数々の知恵。そして自分が食べるために働くということ。そんな自給自足の生活が、印象深い料理を通して描かれる。
長雨に負けてたまるか「ストーブパン」
梅雨の小森。毎日ジメジメで何日干しても洗濯物は乾かないし、ジャム用の木べらにカビまで!いち子が一言、「えぇい!もうストーブだ」。暑いけど部屋を乾かすには煙突付きのストーブが一番。でもただ暑いのは癪だからと、ストーブでパンを焼く。高温高湿で発酵向きのこの状況を利用するという。オーブンよりもストーブは大きいから、いつもより大きなパンが焼ける。
①小麦粉(準強力粉使用)、ドライイースト、水、塩、はちみつをツルっとするまでこねる
②一次発酵(30分)
③ガス抜きしてベンチタイム(15分)
④細長く成形して二次発酵(30分)
⑤クープを入れて200度のオーブンで焼く
さすがにいち子みたいにストーブでは焼けなかったからオーブンパン。小森の地粉じゃないから、けっこう膨らんじゃった。オーブンじゃ部屋は乾かないけど、休日の朝からパンを焼くのは気持ちが晴れる。外はカリムチ、中はフワッなパンにジャムを塗って食べよう。いち子の「長雨に負けてたまるか」っていうセリフが好き。
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初めて見たときに、あまりの理想的な暮らしぶりにドキドキが止まらなかった。それ以来、いち子は私のロールモデル。でも、やっぱりそれだけじゃない。魅力に溢れた小森の生活だけど、いち子も小森を去ることをどこかで考えたりしている。憧れるけど、本当はすっごく大変だってわかっている。だから映画で少しでもその気を味わっているんだろうな。
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